Thunderbolt ドックとUSB-Cハブの違い。Macの画面を増やすのに必要なのはどっち?
Macの画面を増やせるかどうかは、ドックかハブかの違いより先に、Macのチップが何台まで映せるかで決まります。Appleの公式情報でも、ハブやデイジーチェーン(ディスプレイ同士をつなぐ接続)では「対応台数の上限は増えない」とされています。
そのうえで、上限の範囲内で1本のケーブルから2台つなぎたいならThunderbolt対応のドック、1台だけでよいならUSB-Cハブで足ります。上限を超えて増やしたい場合は、DisplayLink方式という別の手段になります。
この記事では、帯域・給電・ポート数の違いを順に整理し、最後に判定の流れを示します。
画面を増やせるかは、ドックではなくMacのチップで決まる
Macには、チップごとに外部ディスプレイへ映像を出せる台数の上限があります。Appleのサポートページに載っている台数は、おおよそ次のとおりです。
| Macのチップ | 外部ディスプレイ | 備考 |
|---|---|---|
| M1・M2(無印) | 1台 | 公式仕様で1台 |
| M3(無印) | 2台 | 蓋を閉じた状態のみ |
| M4・M5(無印)、M4 Pro | 2台 | 蓋を閉じても増えない |
| M5 Pro | 3台 | 蓋を閉じても増えない |
| Max系 | 4台 | M5 Maxなど |
Mac mini、iMac、Mac Studioは台数が異なる場合があります。購入前に、お使いの機種の公式ページで確認してください。MacBook AirのM4・M5については、Appleが「ハブやデイジーチェーンで1本のポートから2台まで出せるが、全体の上限は増えない」と明記しています。
自分のMacなら何台までつなげて、ドックが必要かどうかを先に確認する
ドックでは台数は増えない
ドックやハブを買えば、Macの上限を超えて画面が増えると考えがちです。Thunderbolt対応のドックやUSB-Cハブは、Macの映像出力をそのままディスプレイへ中継するだけの機器です。そのため、上限が1台のMacに高価なドックをつないでも、映る画面は1台のままです。
M1・M2(無印)のように上限が低いMacで台数を増やす手段は、後述のDisplayLink方式に限られます。
Thunderbolt ドックとUSB-Cハブの違いは、帯域・給電・ポート数
端子の形はどちらもUSB-Cなので、見た目では区別がつきません。違いが出るのは、次の3点です。
帯域:1本のケーブルで運べる映像の量が違う
帯域とは、ケーブル1本で一度に流せるデータ量のことです。Thunderbolt 4は40Gb/s、Thunderbolt 5は80Gb/s(映像用途では最大120Gb/s)です。
Thunderbolt 4では、4Kディスプレイ2台、または8Kディスプレイ1台を扱えます。この太い帯域があるので、Thunderbolt対応ドックは1本のケーブルで2台分の映像を運べます。
一方、USB-Cハブは映像用の通り道が細く、HDMIなどの出力端子が1つだけのものが中心です。USB-Cハブの帯域は製品ごとに異なります。仕様は購入ページで確認してください。
給電:Macを充電しながら使えるか
どちらのタイプも、Macへ給電するパススルー充電に対応した製品があります。確認したいのは、ドックが出せるワット数がMacの必要量を満たすかです。
規格上の上限は、Thunderbolt 4が最大100W、Thunderbolt 5が最大240Wです。ただし240Wは、機器とケーブルの組み合わせが揃った場合に限られます(Thunderbolt 5で必須とされるのは140Wまで)。
ワット数が足りないと、画面は映っても充電が追いつかないことがあります。ケーブルとアダプタの組み合わせは、充電ケーブル互換性チェッカーで調べられます。
ポート数:数が多くても画面は増えない
ドックは、映像出力のほかにUSBやLAN、SDカードスロットなどをまとめて備えています。ポートが多いほど便利ですが、映像出力の数が多いからといって、Macが映せる台数が増えるわけではありません。
映像出力が2つあるドックは、Macが2台まで対応していて、かつ帯域が足りる場合にだけ、2台を同時に映せます。
判定の流れ:自分に必要なのはどちらか
次の順で確認すると、必要な機器が決まります。
① 増やしたい台数が、Macの上限以内か
前掲の表で、自分のMacの上限を確認します。増やしたい台数が上限以内なら、ドックまたはハブで実現できる可能性があります。上限を超える場合は③に進みます。
② 1本のケーブルで、何台つなぎたいか
ここは、仕組みから導いた私の整理です。
- 1台だけ:USB-Cハブで足ります。ただし、ハブの出力端子が目的のディスプレイの解像度とリフレッシュレートに対応しているか確認が必要です。
- 2台を1本のケーブルで:Thunderbolt対応のドッキングステーションが必要です。映像2台分を通す帯域が要るためです。
- 2台を別々のポートで:Macにポートが2つあれば、ハブを2つ使う方法でも映ります。
充電や周辺機器まで1本にまとめたい場合も、Thunderbolt対応ドックのほうが向いています。
③ 上限を超えて増やしたい場合は、DisplayLink方式になる
M1・M2(無印)のMacBookで2台以上つなぎたい場合などです。ドックメーカーのPlugableの解説では、macOSは「MST」という1本の映像出力を分岐させる方式に、拡張ディスプレイとしては対応していません。MSTドックをつなぐと、2台に同じ映像が映る(ミラーリング)だけになります。
台数を増やせるのは、専用ドライバと専用チップで映像をUSB経由に変換するDisplayLink方式です。DisplayLink対応のドッキングステーションがこれにあたります。この解説はDisplayLink対応ドックを扱うメーカーの情報です。ドライバのインストールが必要で、動作の安定性は製品とmacOSのバージョンによって変わる可能性があります。購入前に対応状況を確認してください。
ドックをつないでも2台目が映らないとき
ドックが原因とは限りません。次の点を順に見てください。
- Macの上限を超えていないか(M1・M2無印は1台まで)
- M3(無印)の場合、2台目は蓋を閉じた状態でないと映らない
- 解像度が高い順に、先にディスプレイを接続している(Appleのページでも、最も解像度の高いものを先に接続するよう案内されています)
- ドックの映像出力が、ディスプレイの解像度とリフレッシュレートに対応しているか
ハブで足りる場合は、ここまで買わなくていい
1台だけをつなぐ、あるいは外部ディスプレイは使わず周辺機器を増やしたいだけなら、Thunderbolt対応ドックは必要ありません。HDMI出力つきのUSB-Cハブで十分です。価格は購入ページで確認してください。
自分のMacで確認するには
機種ごとの上限と、つなぎたい画面の解像度・リフレッシュレートによって、答えは変わります。
あなたの構成が、ドックなしで実現できるかを確かめる
充電のワット数やケーブルの相性が気になる場合は、先にご紹介した充電ケーブル互換性チェッカーも参考になります。