モバイルバッテリーの機内持ち込みが100Whに引き下げられる可能性|2027年1月の動きと選び方

2026/10/8PR

2026年10月8日時点で、日本の機内持ち込みの上限が100Whに下がると決まった事実は、国土交通省の公表資料では確認できませんでした。国内のいまのルールは「160Wh以下を2個まで」です。

2027年1月1日に動くのは、航空会社が使う国際的な危険物規則(IATAの第68版)です。ここから「100Wh超〜160Whを航空会社の承認で認める規定」が外れます。日本の航空会社や国内線にどこまで波及するかは、現時点では不明です。

手持ちのモバイルバッテリーが100Wh以下なら、急いで買い替える理由はありません。100Whを超える大容量タイプだけが、見直しの対象になり得ます。

日本の基準が100Whになると決まったわけではない

国土交通省は2026年4月24日から、機内持ち込みの新しいルールを適用しています。ICAO(国際民間航空機関)の理事会が3月27日に承認した緊急改訂を受けたものです。

国内ルールで追加されたのは、次の3点です。

  • 機内に持ち込めるモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)まで
  • 機内でモバイルバッテリー本体に充電しない
  • 機内でモバイルバッテリーから他の機器に充電しない

100Wh超〜160Whのモバイルバッテリーも、2個までなら持ち込めます。160Whを超えるものは持ち込めません。国土交通省と成田空港の案内には、2027年や100Whへの引き下げに関する記載は見当たりませんでした。

2027年1月1日に何が起きる?

IATAが航空会社向けに出したガイダンスによると、ICAOの追補には「100〜160Whを運航者(航空会社)の承認で持ち込める」という規定がありました。ただし、2027年1月1日に発効するIATA危険物規則の第68版には、この規定を引き継がないと書かれています。

その結果、国際的な運用の基準は「100Wh以下」に寄っていきます。この資料では、100〜160Whのモバイルバッテリーは「禁止」の扱いとして整理されているように読めます。

項目国内(国土交通省・現在)IATA第68版(2027年1月1日〜)
100Wh以下2個まで2個まで
100Wh超〜160Wh2個まで承認規定が外れる
160Wh超不可不可

IATAの規則は法律ではなく、航空会社の運用に関わるものです。日本の告示がこれに合わせて改正されるのか、航空会社が先に独自に厳しくするのかは、確認できていません。続報があるまでは「可能性」として見ておくのが安全です。

100Whを超えるのは30,000mAh前後の大容量モデルから

100Whかどうかは、mAh(容量)ではなくWh(ワット時)で決まります。計算式は次のとおりです。

Wh = 容量(mAh)× 定格電圧(V)÷ 1,000

多くのモバイルバッテリーは定格電圧が3.7Vです。この前提で計算すると、目安は次のようになります。

表示容量計算上のWh100Wh基準
10,000mAh約37Wh余裕あり
20,000mAh約74Wh余裕あり
27,000mAh約100Wh境界線
30,000mAh約111Wh超える

27,000mAhは、国土交通省の資料でも「99.9Wh」の例として挙げられています。ただし、これは3.7Vで計算した場合の数字です。定格電圧が3.85Vの製品なら、同じ27,000mAhでも約104Whになります。境界付近の製品は、本体や仕様表に書かれた定格のWhを確認してください。上の表は私の計算による目安です。

あなたの場合に必要な容量が何Whになるか、持ち歩く機器と充電回数から確認できます。

モバイルバッテリー容量診断を使う

買い替えは急ぐべき?

判断の分かれ目は、手持ちのモバイルバッテリーの定格Whです。

  • 100Wh以下:今のところ買い替えは不要です。国内でも国際ルールでも、持ち込める範囲に収まります。
  • 100Wh超〜160Wh以下:国内では現在も持ち込めます。ただし、2027年以降は航空会社の運用が変わる可能性があります。旅行で使うなら、搭乗前に利用する航空会社の案内を確認してください。
  • Wh表記が見つからない:保安検査で確認されることがあります。表記のない製品は、買い替え候補です。

100Wh超の製品も、飛行機に乗らない日常使いなら問題なく使えます。急ぐ必要があるのは、2027年以降に飛行機へ持ち込む予定があり、かつ100Whを超えている人です。

今買うなら100Wh以下で、Whが本体に書かれたもの

これから買うなら、2027年のルールがどう転んでも使える範囲にそろえておくと、後で悩みません。選ぶ基準は次の3つです。

  • 定格が100Wh以下であること
  • 本体にWh(またはmAhと電圧)が表示されていること
  • 端子を個別に保護できる形(ポーチやケース)で持ち運べること

容量は、1日の外出なら10,000mAh前後、泊まりを含む旅行なら20,000mAh前後が現実的です。20,000mAhなら約74Whで、100Whには余裕があります。購入するときは、100Wh以下のモバイルバッテリーの中から、仕様表にWhの記載があるものを選んでください。価格は購入ページで確認してください。

機内で使えないので、容量は地上の使い方で決める

2026年4月24日以降、機内でモバイルバッテリーに充電することも、モバイルバッテリーからスマホなどに充電することも禁止されています。違反すると航空法による罰則が科される可能性があります。

機内では座席の電源を使い、モバイルバッテリーは座席ポケットなど手元で保管します。座席上の収納棚には入れられません。預け入れ荷物にも入れられません。

つまり、飛行機に乗る日にモバイルバッテリーが活躍するのは、空港までの移動中と到着後です。必要な容量は、そこで使う分から逆算すると決めやすくなります。具体的な容量は診断ツールでも確認できます。

出典・参考にした公式情報

  • 国土交通省「モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて(4月24日から新たなルールを適用します)」(令和8年4月14日)
  • 国土交通省「モバイルバッテリーを機内持込みする場合の基準の変更について(意見公募)」(令和8年2月27日)
  • IATA「Guidance to Operators – Power Banks(OSS/Cargo 31/03/2026 Changes Regarding Power Banks)」
  • 成田国際空港「バッテリー類の航空機内持ち込みについて」

国土交通省 報道発表資料(4月24日からの新ルール) 国土交通省 報道発表資料(意見公募) IATA Guidance to Operators – Power Banks 成田国際空港 バッテリー類の航空機内持ち込みについて

この記事について

ガジェットKASHIWAGI公開日:2026/10/8