モニターアームで天板が傷つく・割れる原因と防ぎ方|賃貸で気をつけること
クランプ式のモニターアームは、天板をはさんで固定するため、傷や変色が出る可能性があります。メーカーの説明書にもその旨が書かれています。割れるのは、主にクランプの締めすぎと、天板の強度不足が重なったときです。
対策は3つです。
- 天板の厚み・端からの距離・強度を、取り付け前に説明書の条件と照らし合わせる
- 保護シートや補強プレートで、力を面に分散させる
- 条件に合わない天板や、ぐらつきが残る天板には付けない
賃貸の場合、自分で買った机なら壁や床には影響しません。注意が必要なのは、備え付けのカウンターや壁への取り付けです。
傷は出ることがある、割れは「締めすぎ」と「強度不足」が原因
センチュリーのモニターアームの説明書には、クランプ部の取り付けで「天板に微細な傷や変色が生じることがある」と書かれています。クランプは天板を上下から強く押さえる仕組みなので、跡がまったく付かない取り付けは、メーカー側も保証していません。
割れについても、同じ説明書に次の記述があります。
- クランプは適切な強さで固定する。締めすぎると天板が割れ、ゆるすぎると外れるおそれがある
- 天板は、最小厚でも最大厚でも、アームとモニターを支えるのに十分な強度が必要
- 天板に凹凸があったり強度が不足していたりすると、天板の破損のほか、モニターの故障やケガにつながるおそれがある
- 調整後もモニターが傾いたりぐらついたりする場合は、天板の強度不足やゆがみが考えられる
つまり「どの天板でも付けられる」わけではなく、天板側にも条件があります。
取り付け前に、天板で確認する3つの条件
説明書に共通して出てくるのは、次の3点です。
- 厚み:クランプが対応する範囲に収まっているか
- 端からの距離:天板の端に近すぎないか
- 強度:アームとモニターの重さ、動かしたときの力に耐えられるか
厚みと端からの距離は製品ごとに違います。同じクランプ式でも、条件は次のように異なります。
| 製品(説明書) | 天板の厚み | 端からの距離 |
|---|---|---|
| サンワサプライ CR-LA1301 | 10〜50mm | 50mm以上 |
| サンワサプライ CR-LA1008N | 20〜45mm | 70mm以上 |
| センチュリー CMAG4A | 10〜50mm | 記載を確認できず |
| エルゴトロン LXシリーズ(シットスタンド) | 約65mmまで | 記載を確認できず |
上の表は一部の製品の例です。お持ちの製品の数値は、必ず説明書か公式ページで確認してください。
強度については、説明書に具体的な基準が書かれていないものがほとんどです。今回確認した説明書にも、天板の素材(合板、パーティクルボードなど)ごとの可否は載っていませんでした。判断がつかない場合は、デスクのメーカーかアームのメーカーに問い合わせるのが確実です。
以下は私の考えです。メーカーの記載ではありません。天板の裏側をのぞいて、クランプで挟む位置に枠や補強材があるか、凹凸がないかを見ておくと、強度の目安になります。
自分のデスクとモニターの組み合わせが取り付け可能かは、診断ツールで先に確認できます。
保護シートと補強プレートの使い分け
傷を減らすなら保護シート
サンワサプライの補強プレート(CR-LAPLT1)には、EVAスポンジ製の表面保護シートが付属します。同社は「木製天板のキズ防止に適し、滑り止め効果もある」としています。クランプが当たる面にシートを挟むことで、傷を減らす狙いです。
たわみが心配なら補強プレート
補強プレートは、クランプ取り付け部のゆがみやたわみを軽減するための部品です。天板を広い面で支えることで、アームが前のめりになったり、左右に傾いたりするのを軽減します。同社の説明では、次のような使い方が示されています。
- 天板をプレートで挟んだ状態で、クランプを取り付ける
- スチール製天板などで接地面積が少ないときや、デスク裏面の強度が不足するときは、大きいほうのプレートを下側のクランプ側に使う
補強プレートが必要かどうかは、お使いのアームのメーカーが対応を示しているかで決まります。付けたい製品に対応したモニターアーム用の補強プレートを選んでください。
注意したいこと
以下は私の推測です。補強プレートやシートを挟むと、その厚みの分だけクランプで挟める天板の厚みが減る可能性があります。今回確認した補強プレートの案内には、対応する天板の厚みの記載がありませんでした。限界に近い厚みの天板では、購入前にメーカーへ確認してください。
また、百円ショップなどのシートを自己判断で挟む場合は、滑ってずれないか、厚みでクランプの範囲を超えないかを必ず確認してください。滑りやすい素材はおすすめしません。
ガラス天板は、説明書で対応が確認できない限り避ける
今回確認したサンワサプライ、センチュリー、エルゴトロンの説明書には、ガラス天板に関する記載を見つけられませんでした。対応が明記されていない以上、クランプで挟んで大丈夫とは言えません。
ガラスの天板に付けたい場合は、次のどちらかにしてください。
- ガラス天板への取り付けが可能と明記された製品を選ぶ
- 製品メーカーに問い合わせて、書面やメールで回答を得る
取り付け時に守りたい手順
説明書で共通して注意されているのは、次の点です。
- クランプは、ぐらつかない程度に、締めすぎずに固定する
- 取り付けは大人2人以上で行う(センチュリー、サンワサプライ)
- ディスプレイは天板の外に出さない。落下するおそれがある
- 製品ごとの対応重量(サンワサプライのCR-LA1301は2〜6kg、CR-LA1008Nは2〜10kg)を守る
- ディスプレイの調整は、必ず両手で行う
- 振動のある場所には置かない。アーム部に物を置かない
- 組み立て時は手袋を着用し、指を挟まないようにする
取り付け後にモニターがぐらつく場合は、天板の強度不足やゆがみが疑われます。無理に使い続けず、一度外して確認してください。
賃貸でも使える?
自分で買った机なら、壁や床には影響しない
クランプ式は、机に挟んで固定します。壁や床に穴を開けないため、自分で購入した机であれば、賃貸の原状回復とは基本的に関係しません。傷つくのは自分の机だけです。
備え付けのカウンターや机は、傷が借主負担になることがある
部屋に最初からあるカウンター、作り付けのデスク、貸与品の机は、貸主のものです。国土交通省のガイドラインを紹介する北海道のページでは、借主の故意や不注意による損耗は借主負担、通常の使用による損耗は貸主負担という考え方が示されています。
クランプによる跡が「通常の使用による損耗」とされるかは、状況によって変わります。ここは私の解釈です。クランプの跡が不注意とみなされる可能性があるため、備え付けの天板には付けないか、事前に管理会社へ相談するのが安全です。
壁取り付けは避ける
同じページでは、釘穴・ネジ穴は借主負担の例として挙げられています。壁に直接固定するタイプのアームは、賃貸では避けたほうが無難です。
契約書に特約があれば、そちらが優先
すでに契約を結んでいる場合は、基本的に現在の契約書が有効です。特約で原状回復の範囲が決まっていることもあるため、不安なときは契約書を確認し、管理会社に問い合わせてください。
天板にクランプを付けたくないときの選択肢
天板をはさみたくない、または厚みや強度が足りない場合は、デスクにケーブル用の穴があれば、グロメット式の取り付けも使えます。サンワサプライのCR-LA1008Nは、グロメット固定なら20〜90mm、エルゴトロンのLXは直径約13〜64mmの穴に対応します。穴の径や天板の厚みは製品ごとに違うため、穴の大きさを測ってから選んでください。
デスクの穴がグロメット式に合うなら、グロメット式に対応したモニターアームを選ぶ方法があります。
付ける前に、もう一度確認したいこと
迷ったときは、次の順に確認してください。
- 天板の厚みと端からの距離が、説明書の範囲に収まっているか
- モニターとアームの重さが、対応重量に収まっているか
- ガラスなど、説明書で対応を確認できない天板ではないか
- 賃貸の場合、自分の机か、備え付けの天板か
お使いのディスプレイとデスクの形状から取り付けられるかを調べるなら、モニターアーム対応診断が使えます。アームや補強プレートを含めて、デスク周りの予算の配分を決めたい場合は、デスク予算で優先順位を整理できます。