デスク周りの配線・電源容量の考え方と、電源タップの選び方
デスクの電源タップは、つないだ機器の消費電力の合計が、タップ本体に表示された上限(一般的な家庭用は1500W)以内であれば使えます。差し込み口の数ではなく、W(ワット)の合計で考えるのがポイントです。
モニターやドック、充電器が増えても、デスク周りだけなら上限に届かないことは多いです。ただし、ヒーターのような大きな電力を使う機器を足した日や、タップにタップをつなぎ足した日は話が変わります。
この記事では、電源容量の見積もり方と、配線を整理するときに見落としやすい点をまとめます。
電源タップの上限は、口数ではなく合計のWで決まる
テーブルタップには、接続できる最大消費電力か定格電流が決まっています。製品評価技術基盤機構(NITE)は、本体やパッケージの表示を確認するよう案内しています。一般住宅の二口コンセントは、二口合計で1500Wが上限とされています。
パナソニックも、定格(上限1500W)を超えるたこ足配線は危険で、電気製品本体にも悪影響を及ぼすおそれがあるとしています。
1500Wという数字は、家庭用コンセントの100V、15Aから出てくる値です(電圧×電流=電力。ここは私の計算による補足です)。タップ側に「15A」「1500W」と書かれていれば、その合計までという意味です。
差し込み口が6個でも8個でも、上限は変わりません。口数が多いタップは「たくさんつないでよい」ではなく、「つなぎやすいだけ」と考えると失敗しにくくなります。
手持ち機器のWは、ラベルを見て足すだけで見積もれる
機器ごとの消費電力は、本体や電源アダプタのラベル、取扱説明書、メーカーの仕様ページに載っています。表示を足していけば、合計の目安がつかめます。
| 機器 | 確認する場所 | 見方 |
|---|---|---|
| モニター | 本体ラベル・仕様ページ | 最大消費電力を見る |
| PC・Mac | 電源アダプタのラベル | 入力側(INPUT)を見る |
| 充電器 | 本体のラベル | 出力W≠コンセントから使う電力 |
| ヒーター等 | 取扱説明書 | タップ使用の可否を先に見る |
モニター2台とPC、充電器を数個つないだ程度なら、合計は数百Wに収まることが多いと考えられます(機器によって変わるため、これは私の見積もりです)。具体的な数字は、必ず手元の機器の表示で確かめてください。
「今ある機器だけでなく、これから増える機器を足したらどうなるか」を考えるのが、電源計画の本題です。モニター、ドック、外付けSSD、スピーカーと増えていくうちに、予算も電源も足りなくなりがちです。
これから揃える機器の優先順位を、予算から決めておく
充電器の「65W」は、コンセントから引く電力ではない
見落としやすいのが、充電器のW表記です。「65W」は機器へ送れる最大出力を指します。コンセント側から引く電力は、変換でロスが出る分、これより少し大きくなるのが一般的です(私の見積もりです。正確な値は充電器の「INPUT」表記で確認してください)。
とはいえ、充電器1台あたりの数字は小さく、数が増えて初めて効いてきます。ノートPC、iPad、スマートフォン、Apple Watchを一度に充電するデスクなら、充電器の合計も計算に入れておきます。
ドッキングステーションやモニターが別の電源アダプタを必要とする機種もあります。ここは製品ごとに違うため、購入前に仕様ページで確認してください。
ヒーターなど消費電力の大きい機器は、タップにつながない
NITEは、消費電力の大きい機器には、テーブルタップの使用自体を禁止しているものがあると注意しています。パナソニックの案内でも、オイルヒーター、食器洗浄機、エアコンなどが例に挙がっています。
冬のデスクで足元ヒーターや電気ストーブを使う場合は、取扱説明書でタップの使用可否を先に確認してください。禁止されていれば、壁のコンセントに直接つなぎます。
事故事例として、NITEは次のケースを紹介しています。二口コンセントに高出力の暖房機器をつなぎ、テーブルタップ経由でさらに機器をつないだところ、刃受け金具の接触部で異常発熱して発火しました。
タップにタップをつなぎ足すと、合計の管理ができなくなる
タップの先にさらにタップをつなぐと、壁のコンセント1か所に全部の電力が集中します。上限の計算も、一目では追えなくなります。
口数が足りなくなったら、つなぎ足すのではなく、次のように整理します。
- 使っていない機器のプラグを抜き、本当に必要な機器を数える
- 充電器を、複数ポートをもつ1台にまとめる
- 個別スイッチ付きの電源タップに替えて、使わない機器の電源を切れるようにする
- 壁のコンセントが別の場所にもあれば、タップを2系統に分ける
同じ部屋でも、コンセントごとに別の回路につながっていることがあります。ブレーカー側の上限は住まいによって異なるので、分電盤の表示や管理会社に確認してください(ここは一般的な注意で、個別の住宅の値は確認できていません)。
ほこりと束ねた状態が、配線整理で一番の火元になる
配線整理で見た目を整えるときに、安全面で気をつけたい点があります。
コードは束ねて使わない
パナソニックは、コードを束ねて使用しないよう案内しています。NITEも、束ねた状態で過負荷が重なるとショートするおそれがあると説明しています。長いコードを巻いてまとめるのではなく、余った分は固定せず、机の裏で緩く這わせるのが基本です。固定するなら、コードを1本ずつ留めるケーブルクリップのような方法が向いています。
あわせて、次の点にも注意してください。
- コードを椅子や机の脚で踏まない、引っ張らない
- 濡れた手で触らない。水がかかる場所では使わない
- 抜くときはコードではなくプラグ本体を持つ
プラグは奥まで差し、ほこりをためない
プラグの差し込みが浅いと、隙間にほこりがたまります。ほこりと湿気が重なると、火花放電が繰り返されて樹脂が炭化し、発熱や発火につながります(トラッキング現象)。
掃除のときは必ずプラグを抜き、乾いた布で拭き取ってください。差込口にアルコールなどの洗浄液を直接かけるのは避けます。
タップは3〜5年を目安に交換する
パナソニックは、使用環境や使い方によって異なるものの、テーブルタップは3〜5年で傷みが生じる場合があるとしています。これは保証期間ではなく、取り替えの目安です。
次の状態なら、新しいものに替えてください。
- コードが硬くなっている
- コードが熱い、または通電が途切れる
- コードが波打つ、折れ曲がる、汚れている
- 使い始めて5年以上たっている
プラグが変形している場合も、使用を中止してメーカーや販売店に相談するよう、NITEが案内しています。
買うときはPSEマークの有無を見る
電気用品安全法では、PSEマークなどの表示がない電気用品は販売や陳列ができません。ひし形は特定電気用品、丸形はそれ以外の電気用品に付くマークです。
通販でも、タップや延長コードは商品画像や仕様欄でPSEマークの表示を確認してください。デスク用に買うなら、あわせて定格の表示(何Wまで、何Aまで)も見ておきます。
機器を増やす前に確認しておきたい順番
デスクに機器を足す前に、次の順で確認すると後悔しにくくなります。
- 今つないでいる機器のW表記を足し、タップの上限の何割になるか見る
- 足したい機器のW表記を調べ、合計が上限に収まるか確認する
- 暖房機器など大きな電力の機器は、タップ使用の可否を説明書で確認する
- 上限の半分以内を目安に収める(これは私の個人的な目安で、公的な基準ではありません)
- 3〜5年たったタップは、ほこりと傷みを点検して交換を検討する
充電器の出力が足りているか、手持ちの組み合わせで確かめる
参考にした公式情報
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「ホコリも積もれば事故となる ~年末は配線器具の掃除・チェックもお忘れなく~」(2024年11月28日発表): https://www.nite.go.jp/data/000156431.pdf
- パナソニック「テーブルタップ サポート」: https://panasonic.jp/tap/support.html
- パナソニック「11月11日は『配線器具の日』そのテーブルタップ何年お使いですか?」: https://panasonic.jp/topics/2021/11/000000545.html
- 経済産業省「電気用品安全法の概要」(最終更新2021年1月27日): https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/act_outline.html