iPadのイラスト・お絵描き用おすすめ機種の選び方|差が出る3つのポイント
イラスト用にiPadを選ぶとき、最初に確認したいのは「筆圧を感知するApple Pencil Proが使えるか」です。現行の無印iPad(A16)はApple Pencil Proの対応一覧になく、筆圧を感知しないApple Pencil(USB-C)が前提になります。
次に差が出るのは、画面サイズ(持ち運びやすさと見える範囲)と、メモリ・ストレージです。ストレージは購入後に増やせないため、レイヤー(絵を重ねて描く透明なシート)を多く使う人ほど、最初の選択が効いてきます。
診断ツールで「使い方」に「イラスト」を選べば、自分の条件でどの機種に絞れるかを確認できます。
無印iPadでは、筆圧に対応したApple Pencil Proが使えない
Appleの公式情報で、現行4シリーズとペンの対応を整理すると次のとおりです。
| モデル | Apple Pencil Pro | Apple Pencil(USB-C) | ホバー |
|---|---|---|---|
| iPad Pro(M5) | ○ | ○ | ○ |
| iPad Air(M4) | ○ | ○ | ○ |
| iPad mini(A17 Pro) | ○ | ○ | ○ |
| iPad(A16) | 対応一覧になし | ○ | 記載なし |
筆圧とは、ペンを強く押すと線が太く濃くなる機能のことです。Appleの比較表では、Apple Pencil Proは圧力を感知するセンサーに対応し、Apple Pencil(USB-C)は非対応とされています。傾きの感知は両方に載っています。つまり、筆圧で線の強弱をつけて描きたいなら、Apple Pencil Pro対応の機種が前提になります。
Apple Pencil Proには、ほかにもペンを回して筆先の向きを変えるバレルロールや、ペンを握って操作するスクイーズなどの機能があります。USB-Cは、基本の精度や低レイテンシー(描いてから線が出るまでの遅れの少なさ)は同等で、これらの追加機能がありません。
iPad(A16)の公式ページには、Apple Pencil(第1世代)を別売のUSB-Cアダプタ経由で使う方法も載っています。ただし第1世代の仕様は今回確認していないため、本記事では扱いません。ペン側の仕様も本体選びに直結するので、Apple Pencil Proに対応する機種かどうかを、候補を絞る最初の条件にしてください。
自分の使い方なら、どの機種に絞れるかを3機種まで確認できます。
13インチはAirよりProのほうが軽い
画面サイズは、持ち運びを重視するか、広く見たいかで決まります。重さと画素密度(数値が大きいほど細かく表示できる)は次のとおりです。
| モデル | 画面 | 重さ | 画素密度 |
|---|---|---|---|
| iPad mini | 8.3インチ | 293g | 326ppi |
| iPad Pro 11インチ | 11インチ | 444g | 264ppi |
| iPad Air 11インチ | 11インチ | 464g | 264ppi |
| iPad(A16) | 11インチ | 477g | 264ppi |
| iPad Pro 13インチ | 13インチ | 579g | 264ppi |
| iPad Air 13インチ | 13インチ | 616g | 264ppi |
重さはいずれもWi-Fiモデルの値です(Cellularモデルは数グラム重くなります)。
13インチ同士ではProが579g、Airが616gで、Proのほうが軽くなっています。11インチでもProが最も軽い結果でした。一方、iPad miniは画面が小さいぶん293gと軽く、画素密度も他機種より高い数値です。ラフやネームを手軽に描く用途と相性がよさそうですが、広い画面で細部を描き込む用途には、画面の狭さが負担になる可能性があります。
Procreateのレイヤー数は何で決まる?
人気のお絵描きアプリ「Procreate」の公式ヘルプによると、キャンバスで作れるレイヤー数の上限は、次の2つで決まります。
- iPadのメモリ容量
- キャンバスのピクセル寸法(縦×横の大きさ)
同じ機種でも、キャンバスを大きくするほど重ねられる枚数は減ります。機種ごとの実際の枚数は、公式ヘルプの計算ツールで機種とキャンバスサイズを入れると確認できます。
Appleの仕様ページに載っているメモリと容量は次のとおりです。
| モデル | 内蔵容量 | メモリ | ナノテクスチャ |
|---|---|---|---|
| iPad Pro(M5) | 256GB〜2TB | 12GB/16GB | 1TB・2TBで選択可 |
| iPad Air(M4) | 128GB〜1TB | 12GB | なし |
| iPad(A16) | 128〜512GB | 記載なし | なし |
| iPad mini | 128〜512GB | 記載なし | なし |
iPad Proのメモリは、256GB・512GBが12GB、1TB・2TBが16GBです。iPad miniとiPad(A16)は、Appleの仕様ページにメモリの記載が見当たりませんでした。ナノテクスチャの「なし」は、仕様ページで選択肢が確認できなかったという意味です。
これは筆者の推測ですが、メモリ量だけで見れば、Pro(256GB・512GB)とAirは同じ12GBです。16GBが必要になるのは、1TB以上のProを選ぶ場合に限られます。
最大キャンバスサイズも、同じヘルプに機種別の一覧があります。
- iPad Pro(M4・M5)とiPad Air(M2・M3):134メガピクセル
- iPad miniの第6・第7世代とiPad(第10世代):67メガピクセル
- M4搭載のiPad AirとiPad(A16):確認した時点の一覧には載っていませんでした
メガピクセルは縦×横のピクセル数の合計で、100万ピクセルが1メガピクセルです。筆者の計算では、A4サイズを350dpiで作るキャンバスは約12メガピクセルです。多くのイラスト制作では、キャンバスの上限よりレイヤー数のほうが、機種差を感じやすいと考えられます。
なお、ここで確認したのはProcreateの情報だけです。CLIP STUDIO PAINTなど他のアプリは、アプリ側の公式情報で確認してください。
内蔵ストレージは購入後に増やせない
選べる容量は、機種で次のように違います。
- iPad Pro:256GB、512GB、1TB、2TB
- iPad Air:128GB、256GB、512GB、1TB
- iPad(A16)とiPad mini:128GB、256GB、512GB
制作データは、レイヤーを重ねるほど、またキャンバスを大きくするほど、1作品あたりが大きくなるのが一般的です。内蔵の容量は買い足せないので、制作を続けるうちに足りなくなる可能性を、最初に見込んでおく必要があります。
完成した作品は、USB-C対応の外付けSSDやクラウドへ移して、本体には制作中のデータだけを置く運用もできます。何年使うかも容量選びに影響するため、製品の寿命・サポート期間で、使い続けられる年数の目安も合わせて見ておくと判断しやすくなります。
ナノテクスチャガラスを選べるのは1TB・2TBのProだけ
iPad Pro(M5)は、1TBと2TBのモデルに限り、Nano-textureディスプレイガラスをオプションで選べます。256GB・512GBでは選べません。画面の見え方や描き味の好みは人によって分かれるので、気になる場合は店頭で実機を確認するのが確実です。
そのほかの画面仕様は、機種で次のように記載が違います。
- iPad Pro・iPad Air・iPad miniの仕様ページには、反射防止コーティングとフルラミネーションが載っています。Appleは、フルラミネーションを反射を抑える仕様として説明しています。
- iPad(A16)の仕様ページには、この2つの記載が見当たりませんでした。
- ProMotion(表示が10〜120Hzで滑らかに変わる機能)は、iPad Proの仕様として確認できました。iPad Airの仕様ページには、リフレッシュレートの記載がありません。
ナノテクスチャを選ばない場合は、ペーパーライクフィルムで画面の質感を自分好みに寄せる方法もあります。
用途別の目安
ここまでの公式情報をもとにした、筆者の判断による目安です。
| 描き方 | 候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 趣味で描く、持ち運びたい | iPad Air 11インチ | Pencil Pro対応、464g |
| ラフやネーム中心 | iPad mini | 293g、326ppi |
| 大きなキャンバス、多レイヤー | iPad Pro、または13インチAir | メモリ12〜16GB、広い画面 |
| 筆圧は使わない | iPad(A16) | 対応ペンはUSB-Cのみ |
価格は変動するため、購入ページで確認してください。
容量は購入後に変えられないので、使い方から必要な容量を逆算できます。