iPhoneの動画撮影に必要な容量は?4K・ProRes別の目安と撮影頻度別の考え方
動画の容量を大きく左右するのは、4Kかどうかよりも、録画形式をProResにするかどうかです。AppleはProResのファイルについて、HEVC(通常の動画で使われる圧縮形式)の最大30倍の大きさになると案内しています。
ProResで4K・30fpsを撮ると、1分あたり約6.6GBになる計算です(Apple公開のデータレートからの試算。詳細は後述)。10分で約66GB、1時間なら約400GBです。ProResを使うなら、撮影時間から逆算して容量を決める必要があります。
通常の撮影(ProResオフ)の1分あたりの容量は、Appleが公式の数値を公開していないため、この記事では断定しません。実測の方法を後半で紹介します。
あなたの撮影時間だと何GB必要かは、診断ツールで確認できます。
容量が急に増えるのはProResをオンにしたとき
iPhoneの動画容量は、主に次の3つで決まります。
- 録画形式:HEVC(高効率)か、ProResか
- 解像度:1080pか、4Kか
- フレームレート:1秒あたりのコマ数。30fpsより60fps、120fpsのほうが大きくなる
このうち、ProResは桁が違います。ProResは編集しやすさと画質を優先した形式で、圧縮を抑えているぶん、ファイルが大きくなります。
ProResをオンにするのは、設定 > カメラ > フォーマット > ビデオキャプチャの「Apple ProRes」です。オンにしない限り、通常のHEVCまたはH.264で記録されます。
ProResの1分あたりの容量は、4K30で約6.6GB
Appleは、ProRes on iPhoneのサポートページに1分あたりの容量を載せていません。そこで、Appleが公開しているProResのデータレート(Apple ProRes White Paper)から、1分あたりの容量を計算しました。
iPhoneがどの種類のProResで記録しているかは、確認したページには明記がありませんでした。ただ、Appleが外付けストレージに求める書き込み速度が、4K60で220MB/秒以上、4K120で440MB/秒以上です。この値は、ProRes 422 HQの4K60(1,768Mb/s、約221MB/秒)とほぼ一致するため、HQ相当として試算しています。これは私の推測を含む計算です。
| 解像度・fps | データレート | 1分あたり | 10分あたり |
|---|---|---|---|
| 1080p・30fps | 220Mb/s | 約1.7GB | 約17GB |
| 1080p・60fps | 440Mb/s | 約3.3GB | 約33GB |
| 4K・30fps | 884Mb/s | 約6.6GB | 約66GB |
| 4K・60fps | 1,768Mb/s | 約13.3GB | 約133GB |
計算は「データレート÷8×60秒」で、1GB=1,000MBとしています。実際の容量は、映像の内容や機種で多少ずれます。4K・120fpsは、4K・60fpsのさらに約2倍になる見込みです。
ProResで撮れる条件は、機種と容量で決まっています。
- 4K・30fps:256GB以上のProRes対応機種
- 4K・60fps:iPhone 17 Pro・16 Pro・15 Proシリーズ(256GB以上)
- 4K・120fps:iPhone 17 Pro・16 Proシリーズ(256GB以上)
- シネマティックモード、スローモーション、タイムラプスではProResを使えません
128GBモデルでは、ProResの4K撮影はできない
Appleの案内では、128GBモデルのProRes撮影は1080p(30fps・25fps)までです。4Kで撮るなら256GB以上が必要になります。
容量にも余裕が必要です。ProRes記録には、本体の空き容量が全体の10%以上必要とされています。256GBなら、25GB前後は常に空けておく必要があります。
つまり、256GBのiPhoneでは4K・30fpsのProResを約30分撮ると、空き容量が足りなくなる計算です(10%の空きと、アプリや写真の分は含めない目安)。購入後に内蔵容量は増やせないので、ProResを使う予定があるなら、最初に容量を決めておきます。
機種自体を迷っている場合は、iPad・iPhone 機種選び診断で、使い方に合う機種を絞り込めます。
月に何分撮るかで、必要な容量は決まる
必要な容量は、「1分あたりの容量×撮影時間」で見積もれます。ProRes 4K・30fpsの場合を、撮影頻度別に並べました(約6.6GB/分での試算)。
| 撮影の頻度 | 撮影時間の目安 | 必要な容量 |
|---|---|---|
| 旅行や行事で、たまに | 月に10分 | 約66GB |
| 趣味で、定期的に | 週に10分(月約43分) | 約285GB |
| イベントを丸ごと | 1時間 | 約400GB |
ここで大事なのは、動画を本体に残し続けるかどうかです。撮影のたびにMacや外付けSSDへ移して本体から消すなら、必要なのは「1回の撮影分+10%の空き」です。本体に溜めるなら、期間ぶんの合計が必要です。
通常の動画(HEVC)は実測が確実
ProResを使わない通常の撮影は、1分あたりの公式な数値が見つかりませんでした。解像度とfpsの組み合わせによっても変わるため、自分の設定で実測するのが確実です。
- 設定 > カメラ > ビデオ撮影で、使いたい解像度・fpsを選ぶ
- 室内ではなく、普段撮る場所で1分間撮影する
- 写真アプリで、その動画の情報(ファイルサイズ)を確認する
出た数値に撮影時間をかければ、必要な容量が出ます。同じ1分でも、動きが多いシーンのほうが大きくなる点には注意してください。
ProResは外付けSSDに直接記録できる
iPhone 17 Pro・16 Pro・15 Proシリーズ(USB-C接続)は、ProResを外付けストレージへ直接記録できます。本体の容量が足りなくても、4K・60fpsの撮影が可能です。
条件は次のとおりです。
- 形式がexFATで、パスワード暗号化されていないドライブ
- 10Gbps以上のUSB 3ケーブル
- 書き込み速度が、4K60で220MB/秒以上、4K120で440MB/秒以上
実際に使うなら、USB 3対応の外付けSSDと、10Gbps対応のUSB-Cケーブルを組み合わせます。遅いドライブでは、記録速度が足りないという警告が出ることがあります。4K120で撮る前は、毎回ドライブを再フォーマットすることがAppleに推奨されています。
ProResを使わないなら、この構成は不要です。通常の撮影で容量が足りなければ、撮った動画を随時パソコンやクラウドに移す運用で足ります。
外付けSSDとクラウド、どちらが得かは損益分岐点で比べられます。