DisplayLinkとは? Macで画面を増やせる代わりのデメリット
DisplayLinkは、Macが標準で出せる台数を超えて画面を増やせる仕組みです。代わりに、Netflixなどコピー保護(HDCP)つきの動画が映らなくなります。
メーカーの案内では、macOSの場合はDisplayLink接続の画面だけでなく、Mac本体の画面を含むすべての画面で保護コンテンツが再生できなくなるとされています。 動画配信をよく見る人は、導入前にここを必ず確認してください。
そもそも自分のMacで画面が足りているかは、台数と解像度で決まります。先にそこを確かめると、DisplayLinkを買わずに済む場合もあります。
自分のMacとディスプレイの組み合わせで、ドックが必要かどうかを先に確認できます。
DisplayLinkは画面を映像データとして送る仕組み
通常、MacからディスプレイへはHDMIやDisplayPortなどの映像信号が出ています。DisplayLinkはこれと違い、専用ソフト(DisplayLink Manager)がMacの画面を画像として作り、USB経由でドックやアダプタに送ります。ドック側のチップがそれをディスプレイ向けの映像に変換します。
この仕組みのおかげで、Appleシリコン搭載Macの標準の台数制限を回避できます。一方で、次に挙げるデメリットはほとんどがこの仕組みから来ています。なお、この段落の仕組みの説明は、メーカー資料の内容を私がまとめたものです。
Netflixなどの保護された動画は映らなくなる
HDCPは、映像信号をコピーされないように守る仕組みです。Netflix、Prime Video、Disney+、Apple TVアプリなどの動画配信や、Blu-rayが対象になります。
DisplayLinkはこのHDCPに対応していません。Plugableの案内では、次の症状が出る可能性があるとされています。
- 映像だけが真っ黒になり、音は流れる
- エラーが表示される
- 想定より低い解像度に落ちる
影響の出方は、サービス、アプリ、ブラウザ、OS、作品によって異なります。「必ず映らない」と言い切れるものではなく、「映らない可能性が高い」と考えておくのが現実的です。
DisplayLinkをつなぐと、内蔵画面でも映らなくなる
注意したいのは、映らなくなる範囲です。Plugableの案内によると、macOSではDisplayLinkの画面が有効な間、保護コンテンツがどの画面でも再生できなくなる場合があります。つまり「サブ画面は諦めて、本体画面で見る」という使い分けが通用しない可能性があります。
Macworldも同様の症状を報告しており、原因はDisplayLinkが必要とする画面収録の許可にHDCPが反応するためだと説明しています。これは同誌の見立てで、メーカーが公式に認めた原因ではありません。
映らないときの対処は「いったん外す」
メーカーの案内で確実なのは、DisplayLinkの画面をすべて取り外してから再生し直すことです。ブラウザの変更やハードウェアアクセラレーションの無効化を試す報告もありますが、効果は環境次第です。
動画配信を頻繁に見る人は、見るたびに抜き差しするのが現実的でなくなります。その場合は、DisplayLinkを使わない構成を検討してください。
動画以外にも導入前に知っておく制約がある
HDCP以外にも、日常で気になりやすい点があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 画面収録の許可 | DisplayLink Managerに許可が必要。許可しないと画面が映らない |
| 月1回の確認 | macOS 15では「1か月間許可」の確認が出ることがある |
| ポートの許可 | Appleシリコン搭載のノートMacでは、USB機器を「許可」する操作が必要 |
| 色の反転・フィルタ | DisplayLink接続の画面では使えない |
さらに、次の点は動作の制約として押さえておきたいところです。
- 画面を縦向きにする設定は、macOSの設定ではなくDisplayLink Manager側で行います。
- ノートMacの蓋を閉じて外部ディスプレイだけで使う場合は、外付けキーボードとマウス、電源の接続が必要です。
- Macworldは、リフレッシュレートが60Hz上限になる点、遅延やCPU負荷の増加、速い動きでのもたつきも挙げています。この点はメーカー側の公式な仕様確認ができていないため、参考情報として受け取ってください。
- 同誌は、macOSのアップデートで一部機能が使えなくなり、再インストールが必要になることがあるとも報告しています。
画面収録の許可は、メーカーによれば画面を映す目的に使うもので、内容を記録するものではないとされています。それでも、会社支給のMacではセキュリティ設定で許可できない場合があります。
DisplayLinkが向いている人、向いていない人
向いているのは、次のような使い方の人です。
- 画面をたくさん並べて、文書やコード、チャットを表示する
- 動画配信は別のデバイス(iPadやテレビなど)で見る
- Macの標準の台数制限が理由で、どうしても画面が足りない
向いていないのは、次のような使い方の人です。
- 作業しながらNetflixなどを流すことが多い
- 高いリフレッシュレートや、遅延の少なさを求める
- 会社のMacで、ソフトの追加や権限の変更に制限がある
台数を増やす必要があるなら、DisplayLink対応のドッキングステーションが選択肢になります。動画も見る人は、上記の制約を許容できるかを先に決めてください。
DisplayLinkを使わずに画面を増やす方法
台数が足りているならドックは不要
Macworldの整理では、Appleシリコン搭載Macは機種ごとに外部ディスプレイの標準台数が異なります。たとえばM1・M2のMacBook Airは1台で、上位チップになるほど台数が増える構成です。自分の機種が何台まで出せるかは、診断ツールで、つなぎたい台数や解像度に応じて確認できます。
標準の台数に収まるなら、DisplayLinkではなく映像信号をそのまま出す方法で足ります。USB-CやThunderboltの映像出力が使えるThunderbolt対応のドッキングステーションなら、DisplayLinkのソフトは不要です。ただし、ドックを使っても台数が増えない機種があるため、買う前に上の診断で確認してください。
iPadをサブ画面にする手もある
iPadを持っているなら、追加の機器なしでサブ画面にできる場合があります。MacとiPadの機種やOSの組み合わせで使えるかが変わるので、連携機能診断で確認できます。
自分のMacの標準台数で足りるか、ドックがいるかを確認してから選ぶと、無駄な買い物を避けられます。