仮想マシン(Parallels・UTM)へのメモリ割り当ての目安|Macのメモリ容量別
Parallels DesktopでWindows 11を動かすなら、メモリ設定は初期値の「自動」のままで問題ありません。手動で決める場合、Parallelsのナレッジベースは「Macのメモリ容量の半分を超えない」ことを推奨しています。16GBのMacなら上限の目安は8GBで、Standard版はそもそも8GBまでしか割り当てられません。
UTMの公式ドキュメントには「半分」という数字は書かれていません(搭載メモリを超えないこと、としか書かれていません)。ただ、Macに残す分を先に確保するという考え方は同じなので、Parallelsの「半分」を目安にするのが無難です。これは公式の記載ではなく、私の考えです。
なお、ここでいう仮想マシンとは、Mac上でWindowsなど別のOSを動かす仕組みのことです。
自分のMacのメモリが仮想マシンを使う用途に足りるかは、用途と使用年数から診断できます。
割り当ての上限はMacのメモリの半分まで
Parallelsのナレッジベースには、仮想マシンに割り当てるメモリは「Macのメモリ容量の半分を超えない」ことを推奨する、と書かれています。仮想マシンを複数同時に動かすときは、すべての合計がこの上限に収まるようにします。
これをMacのメモリ容量別に当てはめると、次のようになります。右の列は、公式の記載ではなく私の目安です。
| Macのメモリ | 上限の目安(半分) | 現実的な設定(筆者の目安) |
|---|---|---|
| 8GB | 4GB | 4GB(余裕なし) |
| 16GB | 8GB | 4〜8GB |
| 24GB | 12GB | 8〜12GB(Standard版は8GBまで) |
| 32GB以上 | 16GB以上 | 8〜16GB(Standard版は8GBまで) |
「現実的な設定」は、Windows側で何を動かすかで変わります。ブラウザとOfficeアプリ程度なら下限寄り、開発ツールや重いアプリを動かすなら上限寄りが出発点です。
Parallelsは自動のままでいい
Parallelsの公式ガイドでは、Windows 10以降の仮想マシンはCPUとメモリが「自動」で割り当てられ、初期設定のまま使うことが推奨されています。手動に切り替えるのは、動作が遅いと感じたときだけで十分です。
公式ガイドが示している進め方は次のとおりです。
- まず初期設定のまま使う
- 遅いと感じたら、メモリ(やCPU)を増やしてみる
- 速くなれば、その設定を残す。変わらなければ別の見直しをする
ガイドには「多ければ多いほどよいわけではない」とも書かれています。メモリを増やしても速くならないなら、原因は別にあります。
Parallelsには「Adaptive Hypervisor」という設定もあります。仮想マシンを触っているときは仮想マシン側に、macOSのアプリを触っているときはmacOS側に、資源を自動で寄せる機能です。
Standard版は8GBまでしか割り当てられない
Parallels Desktopの公式ガイドによると、Standard版で仮想マシンに割り当てられるメモリは最大8GBです。Pro版とBusiness版では最大128GBまで設定できます。
この上限は、Macのメモリを増やしても変わりません。32GBのMacを買っても、Standard版では8GBが天井です。8GBを超えて割り当てたい場合は、エディションの見直しが必要です。価格は購入ページで確認してください。
8GBのMacでWindows 11を動かすと余裕がない
Microsoftが公表しているWindows 11の最小要件は、メモリ4GBです。8GBのMacでは、Parallelsの「半分まで」の上限がちょうど4GBなので、最低ラインの設定になります。
ここからは私の見立てです。Windowsを単体で動かすだけなら成り立ちますが、macOS側でもブラウザなどを開いたまま使うと、メモリが逼迫しやすくなります。8GBのMacで仮想マシンを日常的に使うなら、Windows側で動かすアプリを絞るか、Mac本体のメモリを見直すほうが現実的です。
割り当てすぎるとMac側も遅くなる
「仮想マシンに多めに渡せば速くなる」とは限りません。Parallelsのナレッジベースには、推奨を超えて割り当てるとMacと仮想マシンの両方の性能が大幅に落ちるおそれがある、と書かれています。
仕組みとして、次の2点も記載されています。
- 仮想化のオーバーヘッドとして、割り当てたメモリの約8〜9%は常に物理メモリに載る
- 仮想マシンのメモリのうち、ディスクに退避(スワップ)できない部分は、合計の約30%を下回らない
8GBを割り当てた場合に当てはめると、常駐分は約0.6〜0.7GB、退避できない分は約2.4GBになります(どちらも私の計算です)。割り当てた分だけが「仮想マシンの中」で使われるのではなく、Mac側の余裕もそれに応じて減ります。
UTMは割り当てる数値を自分で決める
UTMは、仮想マシンの作成画面で「メモリ」の数値を自分で指定します。UTMの公式ドキュメント(QEMU版・Apple Virtualization版の両方)には、最高の性能を得るにはメモリがMacの搭載メモリを超えないようにする、と書かれています。
私が確認した範囲では、Parallelsの「自動」にあたる設定や、初期値の具体的な数字は、ドキュメントに見当たりませんでした。数値は作成画面で確認してください。
Macの搭載メモリを超えなければよい、という書き方は上限としてかなり緩いものです。実際にはmacOS自体とほかのアプリが使う分を残す必要があるので、前の表の「半分まで」を目安にしてください。これも私の考えです。
メモリが足りているか確認できる?
仮想マシンを動かしたままの状態で、macOSの「アクティビティモニタ」を開くと、Mac側のメモリ状況が分かります。Appleのガイドでは、次の項目が説明されています。
- メモリプレッシャー:メモリがどれだけ効率よく使われているかを示すグラフ。空きメモリ、スワップの割合、確保されているメモリ、ファイルキャッシュで決まる
- スワップ使用領域:RAMに載らないデータを退避させるために、起動ディスクで使われている量
確認のしかたは、仮想マシンを起動する前と後でこの2つを見比べるだけです。仮想マシンを起動してからメモリプレッシャーが高い状態が続いたり、スワップ使用領域が大きく増えたりする場合は、Macのメモリに対して割り当てが大きい可能性があります(目安としての私の見立てです)。その場合は、割り当てを1段階下げて様子を見ます。
仮想マシンを使うなら、Macのメモリ自体を見直したほうがいい
割り当ての表を見て「自分のMacでは足りない」と感じたなら、設定の工夫より、Mac本体のメモリ容量が合っていないのかもしれません。機種と用途から必要な容量を出したいときは、Macメモリ必要量 診断で確認できます。新品と整備済製品のどちらを選ぶかも表示されます。
仮想マシンはメモリだけでなくストレージも使う
メモリと並んで見落としやすいのが、ストレージです。Windows 11の最小要件はストレージ64GB以上で、仮想マシンのデータはMacの保存領域にも置かれます。メモリの割り当てを決めたあとに、内蔵ストレージが足りるかも確認しておくと安心です。
仮想マシンを置いたあと、内蔵ストレージが何GB必要になるかは、持っているデータから診断できます。