iCloud+・外付けSSD・NASを比較|写真と動画の保存先を年数別に選ぶ

2026/10/5PR

写真の保存先を「iCloud+だけ」にしていると、バックアップにはなっていません。iCloud写真は端末どうしを同じ状態にそろえる仕組みで、ある端末で削除すると、iCloud写真を使っているすべての端末から消えます。

多くの人は、iCloud+に外付けSSDを1台足して、2か所に持てば足ります。NASは、家族全員の写真が増え続けて、SSDの管理が回らなくなってから検討しても遅くありません。

年数が長くなると、コストの形が変わります。iCloud+は払い続ける費用、外付けSSDは買い替える費用、NASは最初に大きく払って維持費が続く費用です。

あなたの写真・動画の量と年数だと、どの保存先が割に合うかを計算できます。

ストレージコスト診断で損益分岐点を計算する

iCloud+だけでは写真は守れない

iCloud写真をオンにすると、写真と動画は元の画質のままiCloudに保存されます。端末の容量が足りなくなったときは、あまり見ない写真から端末内を省スペース版に置き換える仕組み(ストレージの最適化)が働きます。

便利な反面、削除も同期されます。

  • ある端末で写真を消すと、iCloud写真を使うすべての端末から消えます
  • 消した写真は「最近削除した項目」に30日間残り、その後は完全に削除されて戻せません

誤って消した場合の救済は30日間だけです。気づくのが遅れると、同期された先にも残っていません。

iCloud+の容量は、50GB、200GB、2TB、6TB、12TBの段階があります。家族なら最大5人で共有できます。月額は容量で変わるため、金額は各プランのページで確認してください。

3つの保存先を手間・安全性・拡張性で比べる

保存先手間守れるもの弱点
iCloud+ほぼなし端末の紛失・故障誤削除も同期される
外付けSSD接続してコピー誤削除、iCloud側の事故自宅保管だと火災・盗難に弱い
NAS初期設定が大変家族の複数端末をまとめて保存本体とHDDの維持が必要

弱点の列は、各製品の仕様を踏まえた筆者の整理です。

拡張性はNASが一番、手軽さはiCloud+

iCloud+は、容量を上げるだけで増やせます。外付けSSDは、足りなくなったら2台目を買い足す形です。NASはHDDを入れ替えて容量を広げられますが、機種ごとにベイ(HDDを入れる枠)の数が決まっています。

3-2-1ルールで考えると、iCloud+とSSDの2つで形になる

バックアップの定番の考え方に「3-2-1ルール」があります。米国のサイバーセキュリティ機関CISAも紹介している指針で、内容は次のとおりです。

  • 重要なデータのコピーを3つ持つ
  • 2種類の異なる保存媒体に分ける(例:ハードドライブとクラウド)
  • 1つは自宅や職場から離れた場所に置く

これを家庭の写真に当てはめると、次のようになります(筆者の整理です)。

  • 1つ目:iPhoneやMacの内蔵ストレージ
  • 2つ目:外付けSSD
  • 3つ目:iCloud(自宅から離れた場所のコピー)

iCloud+と外付けSSDを組み合わせれば、3-2-1に近い形を、大きな費用や設定なしで作れます。

年数が長くなるほど、コストの中身が入れ替わる

具体的な金額は変動が大きいため、ここでは費用の「形」だけを比べます。

経過年数iCloud+外付けSSDNAS
1年目低い負担で始まる本体代のみ本体+HDDで最も重い
3〜5年支払いが積み上がる容量不足なら買い足し初期費用が薄まる
10年払い続けている買い替えが発生しうるHDD交換と電気代

10年目の列は、機器の寿命を断定したものではありません。使い方や機種で大きく変わるため、買い替えの回数は筆者の推測です。

写真が増えるほど、iCloud+は容量の階段を上がる

iCloud+は、写真が増えるたびに上位プランへ移ります。移るたびに月額も上がります。外付けSSDやNASは、一度買えば毎月の支払いはありませんが、容量の上限に当たったときにまとまった出費が必要です。

この分かれ目がどこに来るかは、写真・動画の量と保存する年数で変わります。冒頭の診断ツールで、損益分岐点を確かめてください。

外付けSSDで保存するなら、Time Machineの条件を知っておく

Macを使っているなら、標準のバックアップ機能「Time Machine」が使えます。Appleの案内で確認できた条件は次のとおりです。

  • バックアップ先は、USBやThunderboltで接続する外付けドライブ
  • 容量はMacの内蔵ストレージの2倍以上が理想で、バックアップ専用にするのが推奨
  • 履歴は、過去24時間は1時間ごと、過去1か月は毎日、それ以前は週ごとに自動で作成
  • ディスクがいっぱいになると、古いバックアップから削除される

iPhoneの写真をMac側に残したい場合は、MacのPhotosアプリで元のサイズの写真を保持する設定にしておくと、Time Machineの対象に含められます(設定名はmacOSのバージョンで変わる場合があるため、アプリ内で確認してください)。

内蔵の容量を決めるときは、ポータブルSSDを持ち歩く前提かどうかで選び方が変わります。

NASは必要?家族の写真が増え続けるなら検討する

NASは、自宅に置く小さなサーバーです。SynologyのNASでは、スマホの写真や動画を自動でNASへアップロードする機能(Synology Photos)があり、スマホの空き容量を確保しながら写真を保存できます。

向いているのは次のような場合です。

  • 家族の複数のスマホやパソコンの写真を、1か所にまとめたい
  • iCloud+の容量を、家族分の写真で使い切りそう
  • HDDの交換や設定を、自分で管理できる

NASを置いただけでは、バックアップは完了しない

Synologyは3-2-1ルールを案内したうえで、自宅内だけのバックアップは、火災・自然災害・盗難に対応できないと説明しています。そのためNASの中身を、クラウドなど別の場所にも保存する方法を示しています。

複数のHDDで故障に備える仕組み(RAID)は、HDDが1台壊れても使い続けるためのものです。誤削除や火災に備えるコピーとは役割が違う、というのが一般的な整理です。

買うなら、写真向けに使いやすい2ベイのNASを軸に、HDDの台数と置き場所を先に決めておくと失敗しにくくなります。

迷ったときの選び方

  • 写真が少なく、手間を増やしたくない:iCloud+に加えて、外付けSSDに月1回程度コピーする
  • Macを使っていて、仕組みで任せたい:外付けSSDにTime Machineを設定する
  • 家族の写真が増え続ける:NASを導入し、その中身を別の場所にも保存する
  • 家を空けることが多い、置き場所に不安がある:iCloud+を主軸に、SSDは月1回の保険にする

どの構成でも、バックアップは取るだけでは不十分です。CISAも、予定を決めて復元テストを行い、データが戻せることを確認するよう勧めています。年に一度でも、バックアップから写真を1枚取り出してみてください。

自分の写真・動画の量から、必要な容量を先に見積もれます。

Macストレージ必要量診断で必要な容量を調べる

参考にした公式情報

この記事について

ガジェットKASHIWAGI公開日:2026/10/5