モニターアームが耐荷重内なのに下がる原因と調整方法

2026/10/9PR

耐荷重の範囲内でモニターアームが下がるときは、故障を疑う前に、ガススプリング(アーム内部のガスの力でモニターを支える部品)の強さが、モニターの重さに合っているかを確認します。今回確認したメーカーの説明書では、いずれもこの強さを六角レンチで調整できるようになっていました。

ただし、回す方向は機種によって逆です。向きを間違えると、かえって下がりやすくなります。調整しても止まらない場合や、モニターが耐荷重ぎりぎりの場合は、買い替えが現実的です。この記事では、その分かれ目までを順に説明します。

下がる原因の多くは、耐荷重ではなくアームの強さの設定

ガススプリング式のアームは、内部の力でモニターを押し上げて支えています。この押し上げる力がモニターの重さに負けると、手を離した位置から下がっていきます。

エルゴトロンの取扱説明書でも、積載重量が重すぎる場合や、位置を上げても下がってくる場合は、リフト強度(押し上げる力)を高めるよう案内されています。逆に、荷重が軽すぎる場合や、下げても上がってくる場合は弱めます。

見落としやすいのが、買ってすぐの状態です。センチュリーの説明書には、出荷時のガスアームの強さは「最弱」に設定されていると書かれています。取り付けた直後に下がるのは、不良ではなく、調整前の初期状態の可能性があります。

なお、画面が上を向いてしまう症状は、別の部品の問題です。エレコムの製品ページでは、モニターが上を向く場合はモニター裏にあるバネを調節するよう案内されています。アーム全体が下がる症状とは、調整する場所が違います。

耐荷重には上限だけでなく下限もある

「耐荷重10kg」と書かれていても、実際には「2〜10kg」のように範囲で決まっている製品が多くあります。範囲の中でなければ、強さの調整が合いません。

製品対応するモニター重量
センチュリー CMAGLED-SM2〜10kg
エレコム DPA-SL09BK約2〜20kg
エレコム DPA-SS09BK約1〜15kg
エルゴトロン LX ディスプレイ用約3.2〜9.1kg(仕様欄の記載)

エルゴトロンLXの説明書は、仕様欄とトラブルシューティング欄で下限の数値が一致していません(後者は約2.27kgから)。購入前に、お持ちの機種の説明書で確認してください。

センチュリーの説明書では、2kg未満のモニターは取り付けできないとされています。軽いモニターを載せると、今度は勝手に上がってくる側の不具合になります。

自分のモニターとアームの組み合わせが、重さも取り付け方式も含めて合っているかを先に確かめられます。

モニターアーム対応診断を使う

モニターの重さは、スタンドを外した状態と付属品込みで見る

モニターの仕様表には、スタンドを含む重さと、スタンドを外した重さが別々に載っているのが一般的です。アームに載せるのはスタンドを外した状態なので、見るべきは後者です。スタンド込みの数字で計算すると、実際より重く見積もってしまいます。

一方で、アームに載るのはモニター本体だけとは限りません。ウェブカメラやモニター上部に載せる機器など、後から足したものがあれば、その分も合計に入れます。エルゴトロンの説明書にも、機器の追加や取り外しで積載重量が変わったら、調整手順をやり直すよう書かれています。

耐荷重ぎりぎりは避け、1.3倍の余裕で選ぶ

耐荷重の上限ちょうどのモニターは、調整できる範囲の端で使うことになります。当サイトの診断ツールでは、「モニターの重さ × 1.3」が耐荷重に収まるかどうかで判定しています。1.3倍はメーカーが定めた基準ではなく、当サイトの考え方です。

余裕を見る理由は、次の2点です。どちらも筆者の推測で、メーカーの説明書に書かれていたわけではありません。

  • 調整範囲の端では、少しの重量差や部品のばらつきで保持できなくなりやすいこと
  • 後からウェブカメラなどを足したときに、すぐ上限を超えてしまうこと

1.3倍で逆算した、モニター重量の上限の目安は次のとおりです(筆者の計算で、耐荷重÷1.3の小数第2位以下を切り捨てています)。

アームの耐荷重モニター重量の上限目安
5kg約3.8kg
8kg約6.1kg
10kg約7.6kg
15kg約11.5kg
20kg約15.3kg

たとえば耐荷重10kgのアームに、9kgのモニターを載せるのは範囲内ですが、1.3倍では外れます。下がる症状が出ているなら、まずここを疑ってください。

六角レンチでの調整手順

調整前に守ること

ガススプリングは、緩めたときや外したときに大きく動きます。センチュリーの説明書では、次の点が注意されています。

  • 調整は大人2名以上で行う
  • ネジは一気に大きく回さず、半回転程度ずつ回して様子を見る
  • 六角レンチは奥までしっかり差し込む

エルゴトロンの説明書では、調整ネジを締めすぎないよう注意されています。また、付属機器を外す前にアームを最上位置に動かさないと、外した瞬間にアームが素早く跳ね上がり、けがや破損につながるとあります。

回す方向は機種ごとに逆

説明書で確認できた範囲では、次のとおりでした。

機種下がるとき上がるとき
センチュリー CMAGLED-SM反時計回り時計回り
エルゴトロン LX ディスプレイ用時計回り(張力を増やす)反時計回り(張力を減らす)

エルゴトロンの説明書には「張力を増やす場合は時計回り」と書かれていて、下がるときは強度を高める、という上記の考え方と組み合わせた整理です。センチュリーとは逆の向きになります。

エレコムの製品ページには、強さの調整ができることは書かれていますが、回す方向までは載っていません。付属の説明書で確認してください。

手順

  1. モニターと、使っているケーブルや付属機器をすべて取り付けた実際の状態にします。
  2. 説明書で指定された姿勢にします。センチュリーの場合は、ガスアームの先端を上から押して水平にします。
  3. 調整ネジに六角レンチを奥まで差し込みます。
  4. 説明書で向きを確認し、少しだけ回します。
  5. 手を離して、動かないか確認します。足りなければ、もう一度少しだけ回します。

仕上がりの目安は、なめらかに上下に動き、手を離した位置で止まることです。センチュリーの説明書には、完全に固定することはできないとも書かれています。

調整しても下がるときに疑うところ

状況疑う点対処
強さを上げ切っても下がるモニターが範囲を超えている重さを再確認し、軽いモニターか強いアームに替える
調整後も傾く、ぐらつくクランプ部・天板の強度クランプの固定と天板の強度を確認する
角度が少しずつずれる接続部のネジの緩み角度が決まったらネジを締め直す
調整で直ったが、また下がるガスの力の低下(筆者の推測)買い替えを検討する

ネジの緩みについて、エレコムの製品ページには、使用角度が決まったら接続部のネジをしっかり締めて固定するよう書かれています。また、センチュリーの説明書では、調整しても傾いたりぐらついたりする場合は、クランプ部と天板の強度を確認するよう案内されています。

最後の項目は、メーカーの説明書で確認できたわけではありません。使い込んだガススプリングは力が弱まることがある、という一般的な話をもとにした推測です。

調整で済む?買い替える?

次のどれかに当てはまれば、調整より買い替えを考えたほうが早いです。

  • モニターの重さが、アームの対応範囲から外れている
  • 強さを上げ切っても止まらない
  • 調整しても、しばらくするとまた下がる
  • 近いうちに、もっと重いモニターに替える予定がある

買い替えるときは、モニターの重さの1.3倍以上の耐荷重があるガススプリング式のモニターアームを選ぶと、同じ症状に悩みにくくなります。耐荷重のほかに、VESA規格(モニター背面の取り付け穴の間隔の規格)や、デスクへの固定方式が合うかも確認が必要です。お持ちのモニターとデスクで取り付けられるかは、モニターアーム対応診断で調べられます。

アームの買い替えにいくらまで回せるかは、デスク予算で、ほかの道具との優先順位を並べて考えられます。

参考にした公式情報

この記事について

ガジェットKASHIWAGI公開日:2026/10/9