Apple WatchでiPhoneのロックを解除する条件。Touch ID搭載機では使えない理由
Apple WatchでiPhoneのロックを解除する機能は、Face ID搭載のiPhone(iPhone X以降)専用です。iPhone SE(第2・第3世代)やiPhone 8など、ホームボタンのTouch ID機種では使えません。
Appleの公式案内でも、対象はiOS 14.5以降を搭載したFace ID搭載モデルとされています。Touch ID機種の設定画面には、この機能の項目自体が出てきません。
ただし、Touch ID機種は指紋でロックを解除するので、マスクをしていても困らない場面が多いはずです。この記事では、使える条件、使えない理由、代わりの手段を順に説明します。
あなたのiPhoneとApple Watchの組み合わせで使えるか、10秒で判定できます。
対象はFace ID搭載のiPhone X以降だけ
Appleのサポートページが示している要件は次のとおりです。
| 機器 | 条件 |
|---|---|
| iPhone | Face ID搭載モデル(iPhone X以降)、iOS 14.5以降 |
| Apple Watch | Series 3以降、watchOS 7.4以降 |
| 共通 | ペアリング済み、Wi-FiとBluetoothがオン |
| Apple Watch側 | パスコード設定済み、手首検出がオン |
Wi-Fiは「オン」であればよく、ネットワークへの接続までは求められていません。
使える場面にも条件があります。口と鼻がマスクで覆われている、または目がサングラスやスキーゴーグルで覆われているときが対象です。マスクなしで普通にFace IDが使える場面では、この機能は働く必要がありません。
Touch ID機種で使えない理由は、Face IDが前提の機能だから
この機能は、Face IDが顔を認識できないときの補助として作られています。Appleのユーザガイドも「障害物でFace IDが顔を認識できない場合」の機能として説明しています。
仕組みの詳細はAppleが公開していないので、ここからは私の推測です。
- iPhoneを見るだけで解除される動作は、顔を向けたことを検知するFace IDのセンサーが引き金になっていると考えられます
- Touch ID機種にはこのセンサーがないため、「見る」という操作の受け皿がありません
- Apple Watchは「本人が近くにいる」ことの確認役で、iPhone側の解除のきっかけは別に必要だと考えられます
事実として確認できるのは、公式の要件がFace ID搭載モデルに限られていること、設定項目が「Face IDとパスコード」の中にあることの2点です。
自分のiPhoneが対象か、設定画面で見分ける
機種名で迷ったときは、設定アプリの項目名を見るのが確実です。
- 「Face IDとパスコード」がある:対象機種です
- 「Touch IDとパスコード」がある:対象外です
Appleの機種一覧では、次のモデルがホームボタン付きのTouch ID機種に分類されています。
| 世代 | 代表的な機種 |
|---|---|
| 2013〜2015年頃 | iPhone 5s、iPhone 6、6 Plus、6s、6s Plus |
| 2016〜2017年頃 | iPhone SE(第1世代)、iPhone 7、7 Plus、8、8 Plus |
| 2020〜2022年 | iPhone SE(第2世代)、iPhone SE(第3世代) |
iPhone SE(第3世代)の後継にあたるiPhone 16eは、Touch IDをやめてFace IDを搭載しています。新しく買うなら、Face ID搭載機から選ぶことになります。
設定方法(Face ID搭載機の場合)
対象機種なら、設定は1分で終わります。
- iPhoneの「設定」を開き、「Face IDとパスコード」をタップしてパスコードを入力します
- 「近くのデバイスでロックを解除」で、Apple Watchの名前の横のスイッチをオンにします
- 手首検出がオフの場合は、この画面で有効にするよう案内されます
使うときは、Apple Watchを着けてロックを解除した状態で、iPhoneを持ち上げて画面を見ます。解除されるとApple Watchが振動して通知が出ます。
意図せず解除されたときは、Apple Watchの「iPhoneをロック」を押してください。次回はパスコードの入力が必要になります。
Apple PayやパスワードのAutoFillには使えない
この機能で開くのはiPhoneのロックだけです。Apple Pay、キーチェーンに保存したパスワード、パスワードで保護されたアプリの本人確認には使えません。これらの場面では、iPhoneのパスコード入力か、Apple WatchでのApple Pay操作が必要になります。
逆方向の「iPhoneでApple Watchを解除」はTouch ID機種でも使える可能性がある
向きが逆の機能もあります。iPhoneのWatchアプリで「マイウォッチ」→「パスコード」→「iPhoneでロック解除」をオンにすると、iPhoneを解除したときにApple Watchも一緒に解除されます。
Appleのユーザガイドには、この機能に対するiPhoneの機種条件は書かれていません。Touch IDへの言及もありません。公式に「使える」と明記されているわけではないので、手持ちの機種で試して確かめるのが確実です。条件として書かれているのは次の3点です。
- iPhoneがApple Watchから約10m以内のBluetooth範囲にある
- Apple Watchの手首検出がオンになっている
- Apple WatchのBluetoothがオフだと、Apple Watch側でパスコード入力が必要になる
「Apple Watchからのロック解除」と「iPhoneからのロック解除」を混同すると、検索結果が噛み合わなくなります。調べるときは向きを確認してください。
Touch ID機種で困ったときの対処
Touch ID機種でマスクをつけたまま使いたい場合は、次の方法があります。
- そのままTouch IDを使う:指紋は顔と無関係なので、マスクの影響は受けません(仕組みからの推測です)。指が濡れていたり汚れていたりすると、認証に失敗することがあります
- パスコードを使う:手が汚れているときの最終手段です
- Face ID搭載機に買い替える:マスク時の解除をApple Watchで補いたいなら、これが唯一の道です
なお、Apple Watchがなくても、iPhone 12以降ならiOS 15.4以降でマスクをしたままFace IDを使えます。Apple Watchは、この設定と併用することも可能です。
買い替えるかどうかは、今のiPhoneがあと何年使えるかも判断材料になります。OSのサポート期間を含めた残り年数は、製品の寿命・サポート期間の診断で確認できます。ペアになるApple Watchの対応状況は、連携機能診断で一緒に見られます。
手持ちのiPhone・Apple Watch・OSの組み合わせで、使える連携機能を一覧で確認できます。